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公開 · Re-birth
製造業の採用で応募が来ない?製品名を出せない会社の「仕事の伝え方」

採用のすれ違いノート|第3回 製造業の採用広報・採用サイト改善
「求人を出しても応募が集まらない」
「一度、工場を見てもらえたら仕事のおもしろさが伝わるのに」
Re-birthが企業との対話で、繰り返し聞いてきた悩みです。一方、学生との日々の対話では、滋賀にどんな会社があり、どんな仕事をしているのかを、そもそも知らないという声も聞いてきました。
仕事がないわけではない。技術や魅力がないわけでもない。それでも、学生がその会社を就職先として考える前に、情報が届いていないのかもしれません。
とくに製造業では、取引先との契約や機密保持のため、製品名、納入先、製品写真を公表できない会社もあります。採用ページに書けるのは「精密金属加工」「産業機械部品の製造」といった言葉だけ。これでは初めてその業界に触れる学生が、自分の働く姿を想像するのは簡単ではありません。
では、言えないものが多い会社は、何も伝えられないのでしょうか。
「知られていない」と「伝わっていない」は、違う
採用が難しい理由は一つではありません。賃金、勤務地、勤務条件、採用時期、競合企業の募集状況なども関係します。情報を増やせば必ず採用できる、という話ではありません。
ただ、企業と学生の間には、少なくとも三つの段階があります。
・知られていない:学生が会社や仕事の存在に出会っていない。
・伝わっていない:採用ページを見ても、何をする仕事か想像できない。
・次の一歩が見えない:興味はあるが、見学や応募の方法、働く条件が分からない。
この三つは対策が違います。会社を知ってもらうには発信や出会う機会が必要です。仕事内容が伝わっていないなら、何を説明し直すべきか確かめる必要があります。見学や応募に進めないなら、その案内自体を整えなければなりません。
「応募が来ない」という結果だけを見ず、どの段階で止まっているのかを分けて考えることが、採用広報の出発点だと思っています。
例:半導体製造装置の部品をつくる会社なら
※以下は説明用の架空例です。実在企業の事例ではありません。
例えば、半導体をつくる装置に使われる精密部品を加工する中小メーカーを考えてみます。製品名や納入先の企業名、装置の写真は公表できない、という設定です。
「高精度な加工技術があります」と書けば、同業者には伝わるかもしれません。しかし、専門知識のない学生は「それで、自分は何をするの?」と感じるかもしれません。
一方、契約上公表できるのであれば、「半導体をつくる装置の一部を支える部品を加工しています」と用途の大枠を伝えられます。用途さえ明かせないなら、加工工程で何を確かめ、どんな工夫をしているのか、どのように仕事を覚えるのかを中心に紹介する方法もあります。
企業秘密を明かす必要はありません。必要なのは、公開できる範囲で「製品の紹介」を「そこで働く人の仕事の紹介」へ変えてみることです。
製造業の採用ページで見直したい5つのこと
1|何をつくるか、だけでなく「何を支えているか」
専門的な製品名を並べるより、暮らしや社会のどの場面につながる仕事なのかを伝える。ただし、製品用途も秘密情報である場合は無理に書かず、公開の許可がある範囲に限定します。
確認する問い:製品名を明かせなくても、この仕事の役割を説明できるだろうか。
2|募集する人は、工程のどこを担当するのか
「製造業務全般」「機械オペレーター」だけでは、入社後の仕事が見えにくいことがあります。加工、組立、検査などのどこを担当し、何を受け取り、誰に引き継ぐのかを具体的にする。
確認する問い:今回採用する人の最初の仕事を、一つの場面として説明できるだろうか。
3|技術の「すごさ」だけでなく、そこで何を考え、判断するのか
例えば加工後の寸法を確認する仕事。何を基準に確かめるのか、異常があれば誰に報告するのか。実際の作業や権限に沿って説明すると、単なる作業名から、仕事の責任やおもしろさへと伝わり方が変わります。
確認する問い:設備の写真だけでなく、そこで働く人の判断や工夫まで見えるだろうか。
4|未経験の人が、どうやって仕事を覚えていくのか
「未経験歓迎」は大切な言葉です。でも、誰が教えるのか、最初に任せる仕事は何か、どこまでできるようになることを目指すのかが分からなければ、不安は残ります。制度を立派に見せる必要はありません。実際の育成の流れを伝えることが大切です。
確認する問い:入社後1週間、1か月、3か月の働く姿を、事実に沿って説明できるだろうか。
5|働く条件と、次の一歩は見えているか
立ち仕事、設備の音、保護具、安全上の決まり、交替勤務の有無。良い面だけでなく、応募判断に必要な現実を伝えることも欠かせません。また、見学できるなら所要時間・服装・申込方法などを分かりやすく示したいところです。見学を実施していないなら、あるように書いてはいけません。
確認する問い:働き方を判断でき、興味を持った人が次に何をすればよいか分かるだろうか。
採用ページの書き換え例|半導体関連部品メーカーの場合
以下は「半導体製造装置向けの部品をつくっていることまでは公開可能」という条件の説明用の架空例です。実在企業の業務、安全手順、育成制度を表すものではありません。
【変更前】
「精密金属部品の製造。機械加工・検査業務。未経験歓迎。」
【変更後の書き方の例】
「私たちは、半導体を製造する装置に使われる精密部品を加工しています。取引先や製品の詳しい名称は公表できませんが、装置を支えるものづくりの仕事です。今回募集するのは加工工程の担当。作業指示を確認し、設備の状態を確かめながら部品を加工します。加工後は指定箇所を測定し、判断に迷うことがあれば担当者に報告します。最初に担当する作業や教わる流れ、勤務条件についても採用ページでお伝えします。」
最後の一文は、実際のページでは具体的な業務・育成・勤務情報に置き換える必要があります。公開範囲に制約がある会社は、契約や社内ルール、現場の事実を確認してから掲載してください。
文章を長くすることが目的ではありません。「何を支える仕事か」「自分は何をするか」「誰と働くか」が一つ見えるだけでも、初めて読む人が判断する材料になります。
「来てもらえれば伝わる」。だから、来る前の情報が大事
Re-birthでは、滋賀県内の製造現場を学生が訪問し、溶接の仕事を体験する機会をつくったことがあります。実際の仕事と出会うことには、文章や写真とは異なる価値があります。
でも、会社見学や仕事体験に来てもらう前に、学生がその会社に興味を持てなければ、現場のおもしろさに触れる機会自体が生まれません。
だからこそ、現場の魅力を知っている企業側の感覚と、まだその会社を知らない学生の受け取り方の間を確かめる必要があります。
ここまでの仕事体験は過去の活動事例であり、次に紹介するReal View Manufacturingの診断結果を示すものではありません。
企業が伝えたことは、学生にどう伝わったか|Real View Manufacturing
採用ページを改善する際、もう一つ確かめたいことがあります。
「自分たちは、仕事の魅力を説明できたつもりになっていないだろうか」
Re-birthのReal View Manufacturing(製造業向けReal View)は、企業が想定する伝わり方と、学生が採用情報を初めて見たときの受け取り方を照らし合わせるサービスです。
学生10名前後が、採用サイト・求人情報・SNSなどを初めて見て、理解したこと、興味を持ったこと、疑問や迷いを記録します。その結果を企業側の事前回答と比べます。
共通の「認知・発見性」「理解」「興味」「応募判断」「定着情報」の5つの視点に加え、製造業では技術の価値、製造職・技術職の仕事内容、若手の役割、未経験から働く姿などを確認します。
お返しするのは、企業と学生の受け取り方のGAP、理解や応募判断が止まった箇所、学生の反応、改善優先順位TOP3、そしてすでに伝わっているので変えなくてもよい魅力を整理したレポートです。
例えば、企業は「技術力が伝わる」と考えていたのに、学生は「機械はすごそう。でも自分の仕事は分からない」と受け取るかもしれません。反対に、企業が意識していなかった社員の仕事ぶりに学生が興味を持つことも考えられます。こうした表現は説明用の例であり、実施済みの学生調査の引用ではありません。
製品名や納入先などの機密を公開する必要はありません。対象は公開・共有を許された採用情報です。学生の反応は全学生を代表する統計ではなく、応募増や採用成功を保証するものでもありません。「何を、どんな順番で伝え直すか」を決めるための材料として使います。
Real View Manufacturingは、製造業に合わせた確認項目を含み、通常価格20万円(税別・1社1回)。比較対象2社までを同じ学生・同じ基準で確認する比較付きは30万円(税別)です。モデル企業価格は協力条件を満たす場合に別途設定しています。採用サイトの改修や動画制作は診断料金に含まれません。
製造業向けのレポート見本には、GAPや改善優先順位、他社比較の見え方を掲載しています。見本の評点や学生コメント等は実際の調査結果ではなく、表示例です。
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まだ採用情報が整っているか分からない企業には、AIとRe-birthが公開情報などを一次確認する無料PRE-CHECKという別の方法もあります。こちらは学生による初見確認ではありません。Real Viewの前に必ず受ける必要もありません。
採用できない理由を「会社に魅力がないから」と決めつける前に。学生がまだ知らない仕事を、学生が選べる仕事へ。そのために、まず何が伝わっていて、何が伝わっていないかを確かめてみませんか。
採用のすれ違いノート|株式会社Re-birth