JOURNAL
初出 · Re-birth
魅力がないのではなく、学生が「働く自分」を想像できていないのかもしれない。

採用ページや求人票を見ていると、よく感じることがあります。
どの会社も、決して悪いことは書いていません。
「若手が活躍しています」
「未経験でも安心です」
「風通しのよい職場です」
「地域に根ざした仕事です」
「やりがいのある仕事です」
どれも、きっと嘘ではないのだと思います。
むしろ企業側としては、学生に安心してもらいたい。
前向きに受け取ってもらいたい。
少しでも会社の良さを伝えたい。
そう思って、一生懸命に言葉を選んでいるのだと思います。
でも、学生がそれを見たときに、
「ここで働く自分」が思い浮かぶかどうか。
そこには、まだ少し距離があるのかもしれません。
学生が見ているのは、条件だけではありません。
もちろん、給与や休日、勤務地、福利厚生は大切です。
でも学生は、それだけを見て応募するわけではありません。
この会社で、自分はどんな一日を過ごすのか。
最初に何を任されるのか。
わからないことがあったとき、誰に聞けるのか。
失敗したとき、どんな空気になるのか。
先輩や上司は、どんなふうに関わってくれるのか。
仕事が終わったあと、自分はどんな疲れ方をしているのか。
そういう「働く日の景色」を、学生は無意識のうちに探しています。

採用情報にきれいな言葉が並んでいても、
その景色が見えないと、学生は応募前に立ち止まります。
そして多くの場合、その立ち止まりは声になりません。
「この会社は違うかもしれない」
「なんとなく、自分には合わない気がする」
「よくわからないから、いったん閉じよう」
そうやって、応募ボタンを押す前に、静かにページを離れていきます。
「若手が活躍」は、少し怖く見えることもあります。
たとえば、「若手が活躍しています」という言葉。
企業側からすれば、とても前向きな表現です。
若い人にもチャンスがある。
年齢に関係なく挑戦できる。
そんな魅力を伝えたい言葉だと思います。
でも学生から見ると、少し違う受け止め方になることがあります。
「最初から活躍できる人じゃないと厳しいのかな」
「任せてもらえるというより、放置されるのではないかな」
「できない自分は、居場所がなくなるのかな」
そんな不安が生まれることがあります。
言葉そのものが悪いわけではありません。
ただ、その言葉の後ろに、
どんな育ち方があるのか。
どんなサポートがあるのか。
どんな失敗が許されるのか。
どんな先輩がそばにいるのか。
そこが見えないままだと、
前向きな言葉が、学生にとっては少し怖い言葉になることがあります。
「未経験歓迎」も、安心とは限りません。
「未経験歓迎」という言葉も同じです。
企業側としては、
「経験がなくても大丈夫です」
「安心して来てください」
と伝えたいのだと思います。
でも学生は、そこでまた別のことを考えます。
本当に教えてもらえるのか。
何ができるようになるまで、どれくらいかかるのか。
最初につまずくのは、どんなところなのか。
誰が、どんなふうに関わってくれるのか。
わからないと言っても大丈夫なのか。
「未経験歓迎」と書いてあるだけでは、
学生の不安は完全にはほどけません。
むしろ、未経験だからこそ、
その後の景色を知りたいのだと思います。

魅力がないのではなく、まだ見えていないだけかもしれない。
応募が来ないとき、企業はついこう考えてしまうかもしれません。
「うちには魅力がないのではないか」
「学生に選ばれる会社ではないのではないか」
「もっと派手な制度や打ち出し方が必要なのではないか」
でも、そうとは限りません。
魅力がないのではなく、
その魅力が、学生に想像できる形で届いていないだけかもしれません。
現場には、きっとたくさんの材料があります。
新人がつまずいたときに、何気なく声をかける先輩。
お客さんとの小さなやりとり。
朝の準備の中にある、その仕事らしさ。
一見地味だけれど、暮らしや地域を支えている仕事。
長く働いている人が、当たり前すぎて言葉にしていないこと。
そういうものは、採用ページや求人票の中には、まだ出てきていないことがあります。
会社の魅力は、立派な言葉の中だけにあるわけではありません。
むしろ、現場の何気ない場面の中にこそ、
学生が「ここで働く自分」を想像するための手がかりがあるのだと思います。
学生は、会社を否定しているわけではありません。
学生が応募しないとき、
それは必ずしも、その会社を否定しているわけではありません。
嫌いになったわけでも、
魅力がないと判断したわけでも、
ブラックだと決めつけたわけでもない。
ただ、判断するための材料が足りなかった。
働く自分が想像できなかった。
だから、そっと離れただけかもしれません。

でも、その「そっと離れる」は、企業からは見えません。
応募しなかった学生は、理由を説明してくれません。
問い合わせフォームに「ここが不安でした」と書いてくれるわけでもありません。
採用担当者に「この表現が少し怖く見えました」と教えてくれるわけでもありません。
学生の沈黙は、採用活動の中でとても見えにくいものです。
だからこそ、応募がなかったという結果だけを見るのではなく、
応募前に何が起きていたのかを見ようとすることが大切なのだと思います。
採用情報は、会社の説明ではなく、出会いの入口です。
採用ページや求人票は、会社の情報を並べる場所であると同時に、
学生と会社が出会う前の入口でもあります。
その入口で、学生はたくさんのことを感じ取っています。
この会社は、自分のような人間をどう迎えようとしているのか。
働く前の不安を、どこまで想像してくれているのか。
現場のことを、どれくらい正直に伝えようとしているのか。
自分がここに入ったあと、どんなふうに扱われるのか。
求人票には、その会社の人の扱い方がにじみます。
だから採用情報を整えることは、
単に見栄えをよくすることではありません。
学生にとって、
「ここで働く自分」を少しでも想像できる入口をつくること。
その会社で働く人や仕事が、
雑に消費されず、ちゃんと届く形に整えること。
そういう営みなのだと思います。
Re-birthの学生初見レビューで見ていること
Re-birthでは、採用ページ・求人票・ナビサイト・インターン情報などを、
学生が初めて見たときにどう受け取るのかを確認する
「学生初見レビュー」を行っています。
学生の声をそのまま企業にぶつけるためのものではありません。
学生に会社を採点してもらうためのものでもありません。
どこで働くイメージが止まったのか。
どの言葉が抽象的に見えたのか。
どこに不安が残ったのか。
逆に、どこに魅力の種があったのか。
そうした学生の初見反応を、
採用情報を見直すための材料として整理します。
学生の声は、正解ではありません。
でも、採用情報がどう見えているのかを知るための大切な手がかりにはなります。
企業の思い込みだけでもなく、
学生の印象だけでもなく、
その間にあるズレを一緒に見ていくこと。
そこから、学生と企業が出会う前の導線を整えていけたらと思っています。
応募数の前に、想像できるかどうか。
もちろん、採用活動では応募数も大切です。
説明会の参加数も、インターンの申込数も、大切な指標です。
でも、その前に考えておきたいことがあります。
学生は、その採用情報を見て、
「ここで働く自分」を少しでも想像できているでしょうか。
会社の魅力は、学生に届く形になっているでしょうか。
現場の空気や、仕事の一日や、育ち方や、最初の不安が、
応募前の学生にも見えるようになっているでしょうか。
魅力がないのではなく、
まだ想像できる形になっていないだけかもしれません。
応募ボタンを押す前に、学生は何を見て、何に立ち止まり、何がわからないまま離れているのか。
そこを見直すことから、
採用の入口は少し変わっていくのだと思います。
株式会社Re-birthでは、学生フリースペース「就活room tugumi」の運営を通じて、学生と企業が出会う前の採用情報の見え方を一緒に考えています。
採用ページ・求人票・ナビサイト・インターン情報などについて、
学生が初めて見たときにどこで立ち止まるのかを知りたい企業さまは、
お気軽にご相談ください。
株式会社Re-birth
公式HP:https://rebirth-tugumi.hp.peraichi.com/
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